明るい部屋で階段を上る中年男性の脚
ダイエットコラム

筋肉の衰えは、脚から始まる

「食べる量は変わっていないのに太ってきた」の背景にある体の変化

太ってきたのは、意志のせいじゃない

鏡の前で体型を気にする男性

「食べる量は変わっていないのに、なぜか太ってきた」。もしそう感じているなら、それは意志の弱さだけが原因とは限りません。加齢とともに体の土台、つまり筋肉が静かに減り、何もしなくてもエネルギーを消費する力そのものが落ちていくことも関係しています。

30代後半から40代にかけて「昔とまったく同じ生活なのに、体型だけ変わった」という声を、僕は現場で毎日のように聞きます。多くの方が「自分の管理が甘いせいだ」と自分を責めていますが、実際に起きているのは、意志の問題ではなく体の中身の変化です。

まず、体の中で何が起きているのかを知ってください。仕組みがわかれば、やるべきことは驚くほどシンプルになります。

筋肉の衰えは「脚」から始まる

筋肉は全身で均一に減るのではありません。とくに脚、つまり下肢で早く、大きく進みやすいことがわかっています。腕や体幹よりも、脚のほうが目立ちます。

脚の筋肉量を測定するイメージ

4,003人の日本人を調べた研究が示したこと

18歳以上の日本人4,003人を体組成計で測定した研究では、下肢の筋肉量は20歳代ごろから加齢に伴って著しく減少し、その減少率は上肢や体幹部を含めた全部位のなかで最も大きいことが報告されています[1]

一方で、上肢(腕)の減少は高齢期になってから緩やかに始まり、体幹部は中年期ごろまで微増したのちに減少します。つまり、加齢による筋肉の衰えは体の場所によってスピードが違い、脚(下肢)で早くから、そして大きく進みやすいのです。

デスクワークで座り続ける人

なぜ脚から先に衰えるのか

脚は体のなかで大きな筋肉が集まる場所です。日常で歩く・立つ・階段を上るといった負荷が減ると、その影響を受けやすいと考えられます。

デスクワーク中心で座っている時間が長いほど、脚の筋肉は使われず、衰えやすくなります。「運動不足」という言葉でひとくくりにされがちですが、その実態は、まず脚から静かに進んでいるのです。

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脚から減ると聞くと不安になりますよね。でも筋肉は何歳からでも育ちます。現場でも40代で始めた方が「体が軽くなった」とよく言ってくれます。

なぜ脚から減ると太るのか

基礎代謝と筋肉の関係を示すイメージ

脚の筋肉が減ると基礎代謝が下がり、同じ量を食べても消費しきれずに余りやすくなります。これが「食べる量は変わっていないのに太る」の背景にある、大きな理由のひとつです。

基礎代謝とは、何もしなくても生命維持のために消費されるエネルギーのこと。厚生労働省の資料でも、加齢によって基礎代謝量が低下する主な理由は、筋肉などの除脂肪量が減ることだとされています[2]。エネルギーを多く使う筋肉が減れば、消費エネルギーの土台そのものが下がります。

同じ資料では、体重70kgの男性の基礎代謝量の推定値は、20歳代で1680kcal、50歳代で1505kcalとされています。1日およそ175kcalの差です[2]。基準値での比較となり、人それぞれ異なりますが、単純計算で、ごはん軽く1杯分ほどのエネルギーを、以前より消費できなくなっている計算になります。食生活を何も変えていなくても、土台のほうが変わっているのです。

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「食べる量は変わってないのに太った」、これ本当によく聞きます。ほぼ全員が同じことを言うんですよ。だから、自分を責めなくて大丈夫です。

しかも脚は「見えない」から気づけない

鏡には映らない脚の変化のイメージ

脚の衰えがやっかいなのは、自分では一番見えない場所で進むからです。

お腹まわりは、毎日鏡で見ます。少し出てくれば気づきます。でも、太ももを毎朝メジャーで測る人はいません。だから、脚の筋肉が減っていることには、なかなか気づけないのです。

気づくきっかけは、たいてい小さなサインです。階段で息が上がる。椅子から立ち上がるときに、思わず「よいしょ」と言う。片脚立ちで靴下がはきにくくなる。こうした「あれ?」が、脚からの最初の合図かもしれません。体重計の数字より先に、こういう日常の動きに変化が出ます。

対策は、週2〜3日から始めればいい

ここまで読むと不安になるかもしれませんが、対策は毎日ハードに追い込むことではありません。国のガイドラインでも、筋トレは週2〜3日が推奨されています[3]。大事なのは、脚を中心に、無理なく続けることです。

POINT 1

週2〜3日でいい

厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023でも、筋トレの推奨は週2〜3日です。毎日ではありません。週2〜3日で筋力や身体機能、骨密度が改善し、高齢期には転倒や骨折のリスク低減も報告されています。

POINT 2

自重でもいい

同ガイドでは、マシンやダンベルだけでなく、スクワットなどの自重トレーニングも筋トレに含まれるとされています。まずは自分の体重で、正しいフォームのスクワットから始めれば大丈夫です。

POINT 3

まず下半身から

早く、そして大きく減りやすいのは脚です。だからこそ、鍛える優先順位も脚が一番。大きな筋肉を動かすほど、消費エネルギーの土台を立て直しやすくなります。

POINT 4

続く仕組みを作る

筋肉は貯金と同じで、コツコツ積んだ人ほど後がラクになります。一度で頑張りすぎて続かないより、週2回を淡々と続けられる設計にするほうが、結果的に大きく変わります。

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週2で足りるの?とよく驚かれますが、週2からで大丈夫なんです。毎日やって続かないより、週2を淡々と。僕が一番大事にしているのはそこです。

筋肉は貯金。土台を積んだ人ほど、後がラクになる

下半身トレーニングを指導するパーソナルトレーナー

僕自身、かつて120kgあった体を50kg落としましたが、その減量の土台になったのは、派手な有酸素運動ではなく下半身のトレーニングでした。脚を鍛えると体全体が使うエネルギーが変わり、少しずつ「太りにくい状態」に寄っていく。この実感が、今の指導のベースになっています。

Woot!の考え方は、我慢させることではありません。飲み会も好きな食事もやめる必要はない。やめるより、調整する。減らすより、土台を積む。脚の筋肉という一番減りやすい場所から手を打てば、同じ生活でも体は少しずつ変わっていきます。変化のスピードや度合いには個人差がありますが、土台から手を打つ意味は変わりません。

筋肉は何歳からでも育ちます。40代・50代から始めても遅くない理由は、40代からジムを始めるのは遅い?にまとめました。筋トレそのものが体に与えるメリットの全体像は、筋トレがもたらす10のメリットもあわせて読んでみてください。

自宅でスクワットから始めるのも、もちろん正解です。ただ、多くの人がつまずくのは「正しく効いているのかわからない」「見えないから続かない」の2つ。ここを、体組成の数字を目安に変化を追い、フォームと続け方を一緒に整えて越えていくのが、パーソナルでやる意味だと思っています。

今日が、人生で一番若い日です。週2回・30分から、一緒に始めていきましょう。

よくある質問

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執筆者について
About the author

青木泰蔵

青木泰蔵

NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー

https://www.instagram.com/taizo_bm/

幼少期から食べることが大好きで、120kgオーバーの頃も。ながなが痩せたくても痩せられなかったが、独自の試行錯誤の末に「たくさん食べながら、痩せられる」方法を発見してきた。オリジナルの「ゆるふわ」に続けられるダイエットメソッドを提唱しつつ、日本一の体を決めるボディメイクコンテストで優勝、国内を始めNYでのモデルなど、活動の幅を広げる。


監修者について
About the reviewer

パーソナルジム Woot!

パーソナルジム Woot!

六本木・池袋のパーソナルジム

https://woot.fit/

六本木・池袋で展開するパーソナルジム。科学的根拠に基づいたトレーニングと栄養指導を提供し、一人ひとりに最適化されたプログラムで目標達成をサポート。

参考文献

  1. [1]日本人筋肉量の加齢による特徴谷本芳美ほか(日本老年医学会雑誌 47巻1号) (2010)
  2. [2]加齢とエネルギー代謝大河原一憲(厚生労働省 e-ヘルスネット) (2019)
  3. [3]健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート(筋力トレーニングについて)門間陽樹(厚生労働省 e-ヘルスネット) (2024)
最終更新日: 2026年8月18日